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口呼吸と歯並びの関係について

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2024.02.17

▶︎ 口呼吸とは

 ヒトは本来、鼻で呼吸を行います。しかし、長時間にわたり口で呼吸をしてしまうことを『口呼吸(こうこきゅう)』と言います。口呼吸は、口腔内や口腔周囲への影響だけではなく、全身への健康にも悪影響を及ぼす可能性もあります。

▶︎口呼吸の原因

◯鼻づまり

 風邪やアレルギー性鼻炎などが原因で鼻づまりが生じ、鼻で呼吸することが難しい場合です。子どもの場合はアデノイドの肥大、大人であれば副鼻腔炎や鼻中隔湾曲なども原因となります。

◯口の周りの筋力の低下

 もう一つは口の周りにある口輪筋などの筋力が低下することで、口が閉じづらくなっていることも考えられます。食文化の欧米化に伴う軟食や口笛などの口遊びの減少、長時間のマスク生活などで、口の周りの筋肉が発達せず、口呼吸が常態化を招いてしまうのです。

 また、出っ歯であることが原因で物理的に口が閉じることができない場合にも、筋力は衰えてしまいます。

▶︎口呼吸が体に及ぼす影響

◯歯並びが悪くなる

 口呼吸が原因で、上下の歯の間に隙間がある「開咬」や歯ががたがたになる「叢生」、いわゆる出っぱと呼ばれる上の前が出ている状態の「上顎前突」、下の前歯が出ている受け口の状態の「反対咬合」といったさまざまな不正咬合が生じる可能性があります。

 本来、舌の先端は口蓋と呼ばれる口の中の天井部分に触れているのが正しい状態です。その舌が外側に押す力と、口の周りの唇や頬からの内側へ押す力のバランスが保たれることで、きれいなアーチの歯列が保たれるのです。

 しかし、口呼吸をしていると舌の位置がだらんと下に下がってしまい、唇や頬から押される力が強くなってしまい、アーチが狭くなってしまうのです。逆に、常に口を開けていることで、口の周りの筋肉が弱くなり、口が閉じにくくなることで開咬や上顎前突などの不正咬合の原因になります。

◯風邪やアレルギーなどになりやすい

 鼻呼吸の場合、鼻毛などがフィルターとなりウイルスなどが体内に侵入するのを防いでくれますが、口呼吸の場合は口や喉の粘膜に直接ウイルスが入ってきてしまいます。そのため、風邪やインフルエンザ、アレルギーを発症しやすくなってしまいます。

◯虫歯、歯周病、口臭を起こしやすくなる

 口呼吸をしていると、お口の中が乾燥し、唾液の量が減ってしまいます。唾液には、お口の中のむしば菌や歯周病菌などの増殖を抑制する効果があるため、唾液が減ることで、菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。そのため、歯周病や虫歯、口臭になるリスクが高まってしまいます。

▶︎まとめ

 口呼吸はさまざまな悪影響があるため、普段から鼻呼吸を意識すること大切です。

 鼻閉などが原因の場合には、耳鼻咽喉科で適切な治療をうける必要があります。

 受け口やでっ歯など物理的な問題である場合には、矯正治療で歯並びを改善することが有効です。また、お子様で口の周りの筋肉の低下が原因の場合には、MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれる舌や口の周りの筋肉を鍛えるトレーニングが有効です。

 口呼吸は歯並びと深く関わりがありますので、お悩みや不安があればお気軽にお問い合わせください。

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