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矯正治療と親知らずの関係について

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2024.01.22

親知らずとは?

 親知らずとは、中切歯と呼ばれる中央の前歯から数えて8番目にある、最も後ろに生えている奥歯です。智歯や第三大臼歯とも呼ばれ、20歳前後で親に知られることなく生えてくる歯であることから『親知らず』と言われています。親知らずは一般的には上下左右の計4本ありますが、もともと親知らずがない人や、あったとしても生えてこない人、斜めに生えている人などかなり個人差があります。

矯正治療で親知らずの抜歯は必ず必要?

 結論からいうと、矯正治療をするために必ず親知らずの抜歯をしなければいけないわけではありません。腫れや痛みなどがなく、真っ直ぐと生えて上下で正しく噛み合うことができているのであれば、無理に抜く必要はありません。

矯正治療で抜歯が必要な場合

①親知らずが悪影響を及ぼしている場合

 親知らずは横や斜めに生えてくることが多いため、歯磨きが難しくすでに親知らず自体が虫歯になっていたり、歯周病によって腫れや痛みを繰り返しているような場合には、矯正治療をする・しないに関わらず早めに抜くことをお勧めします。問題のある親知らずをそのままにしておくと、親知らずの手前にある第二大臼歯も虫歯になってしまったり、他の歯に悪影響を及ぼすリスクが高まります。

②歯を並べるためのスペースが必要な場合

 矯正治療で歯を並べるスペースが不足している場合、歯列全体的に後方へ移動させる計画を考えることがあります。その際、一番後ろに親知らずがあると、移動量に限界があるため、確実にスペースを確保するためには親知らずの抜歯が必要となるのです。

③将来的に歯並びに影響与える可能性がある場合

 今は特に問題を起こしていない親知らずであっても、親知らず自体の生えようとする力で、歯列全体が前に押し出されてしまい、矯正治療で治した歯並びが崩れてしまう場合があります。そのような場合も、親知らずの抜歯が提案されることがあります。

親知らずを活かす場合

稀なケースではありますが、問題のない親知らずを矯正治療に利用する場合もあります。奥歯の虫歯が大きく、抜歯が必要な場合、親知らずを前に移動させて新たに奥歯として活かしたり、欠損している部分に親知らずを移植させられる場合もあります。

矯正治療を行う際に、親知らずを抜歯するというのはよくある処置ではあります。ただし、抜歯することのリスクも含め、さまざまな治療方針、矯正歯科医の見解もありますので、しっかりと歯科医師と話し合い、理解した上で治療の選択を行うようにしましょう。

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