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矯正治療で抜歯が必要となる理由は?

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2022.11.16

矯正治療に相談に来られる方の中で、できれば歯を抜かずに治療がしたいと希望される方は多くいらっしゃいます。

健康な歯をできるだけ多く残したいと思われるのは当然のことだと思います。

しかし、歯並びはそれぞれの患者様で大きく異なり、非抜歯での治療が可能な方もいれば、抜歯をしなくては治療が難しい方がいらっしゃるのも事実です。

ではなぜ矯正治療では抜歯が必要になるのでしょうか?

矯正治療で抜歯が必要になる理由

・歯の凸凹が大きく、歯を並べるスペースが足りない

・口元が前に出ている

・前歯が前にあり、前歯の傾きが基準値を大きく外れて唇側に傾斜している

・上の歯と下の歯の真ん中が大きくずれている

上記に挙げられるような問題点を歯を抜かずに改善することができるのであれば、非抜歯での治療が可能ですが、難しい場合には抜歯を選択せざるを得なくなります。

歯を並べるスペースを作る方法

・抜歯

矯正治療で抜歯を行う場合、多くは小臼歯と呼ばれる前から4番目か5番目の歯を選択する場合が多いですが、虫歯の治療や根っこの治療をしている歯がある場合にはそのような歯も選択肢の1つとなります。

小臼歯の大きさは7~8㎜ほどありますので、左右の小臼歯を抜歯すると14~16㎜とかなりのスペースを確実に得ることができます。

そのため、歯の凸凹の改善だけではなく、前歯の位置を後ろに移動させ、前歯の傾きを正しくすることが可能となり、横顔の改善をしっかりと行うことができるのです。

・歯列の拡大

歯の並んでいる部分を歯列と言います。この歯列を側方に拡大することでスペースを作ることができます。

もともと歯が内側に倒れており、歯列がとても狭い方には有効な方法ではありますが、歯は骨の中を超えては動くことができないため、どこまででも拡大することはできません。

・歯の後方移動

歯列全体を後ろに移動させることでスペースを作る方法です。今までであればとても難しいことでしたが、歯科矯正用アンカースクリューの普及により可能なものとなりました。

しかし、これに関しても親知らずの抜歯が必要な場合や、奥歯の後ろに骨がない場合には歯が後ろに移動させることができない場合もあるため、2~3㎜の後方移動が限界であることが多いのが現状です。

・歯の大きさを小さくする(IPR、ストリッピング)

歯をやすりのようなもので少しずつ削り歯の大きさを小さくする処置です。

歯へのダメージがないように0.5㎜以内で調整を行うため、得られるスペースとしてはわずかです。痛みは特にないため麻酔なども必要はありません。

患者様それぞれのお口の中の状態を考慮し、どの程度のスペースを作る必要があるのかを検討し、そのスペースが抜歯以外の方法で十分確保できるのであれば非抜歯を、難しいのであれば抜歯を選択することになります。

噛みあわせ、口元全体のバランス、患者様のご希望も考慮して総合的に判断していきますで、ご不明な点、不安な点などいつでもお気軽にお問い合わせください。

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