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矯正歯科の選び方

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2022.06.07

1.日本矯正歯科学会の認定医が在籍している

あまり一般の方には知られていませんが、歯科の中にも医科と同様に様々な分野に分かれており、その中でも矯正歯科は、とても専門性の高い分野になります。

歯学部での6年間の中でいわゆる「歯医者さん」と言われて、みなさんが想像されるような虫歯の治療や機械を使ったクリーニングなどを授業や学生実習で一通り学びます。また、病院実習などで実際に患者様を診療することもあります。
しかし、矯正に関しては座学と実習のみで、病院実習で矯正歯科を周っても学生ができることはクリーニングくらいです。

では、矯正歯科に関して学びたいと思ったらどうしたいいのでしょうか?

基本的には、6年間の歯学部を終え、国家試験に合格後、さらに大学病院の矯正歯科で、歯科矯正専門の医療機関の指導医の元で学ばなければいけません。
4年間の大学院生活では矯正歯科の専門的な知識、技術の習得と共に研究活動を行いながら、学位と日本矯正歯科学会の認定医の獲得のために勉強の日々が続きます。

日本矯正歯科学会の認定医を受験するためには、まず5年以上の臨床経験を求められるため、大学院修了後も大学での研修は続き、認定医取得への道は簡単ではありません。

歯科医師免許があれば矯正歯科治療も行えるため、現在、矯正歯科を標榜している歯科医院は数多くあります。

しかし、日本矯正歯科学会の会員数が7,000人程いる中でも認定医・指導医・臨床指導医を合わせても3,000人しかいません。

矯正治療をお考えでしたら、まずは「日本矯正歯科学会認定医」の在籍する医院を基準に探してみるのも1つではないでしょうか。
認定医を持っていない歯科医師でも知識・技術および臨床経験を十分に有している先生もおられますので、あくまでも参考になります。


2. セファログラム(頭部X線規格写真)撮影による検査を行っているか

セファログラムがなくても矯正治療は可能です。しかし、間違った診断や治療方針を立ててしまう危険性があります。

例えば、出っ歯の原因も1つではありません。①前歯の角度が悪い、②上の骨が出ている、③下の骨が引っ込んでいる、➃ ①②③のすべてが合わさっているなど、原因は様々です。

この原因を正しく把握するためには、歯型や写真だけではできません。そのため、矯正歯科医は患者さんそれぞれのセファログラム撮影を行い、精査した上で治療方針を決めています。

また、現在3DCTを撮ることも多くなっていますが、すごく情報が多く有益ではありますが、いわゆる基準値が存在しないため、主観的なものとなってしまいます。そのため、CTデータのみで診断するのはあまりお勧めできません。


3. 複数の矯正装置での治療方針を提案してくれる

近年、マウスピース型の矯正治療を行う医院がとても増え、マウスピース矯正専門の医院や中には、とても安価な値段で行っている医院もあります。

確かにマウスピース矯正は、症例によってはとても有効な装置の1つとなりえます。しかし、まだまだ研究途中の装置であり、すべての症例をマウスピース矯正のみで行えるとは現段階では言えません。

そのため、患者様がマウスピース矯正を希望されていても、マウスピース矯正での治療が難しいと判断される場合には、ワイヤー矯正をお勧めする場合もあります。
あくまで装置は道具ですので、治療をしていく上で一番適切な装置を選択し、提示してくれる医院を選ぶようにしましょう。


4.具体的な治療方針・期間・費用を提示してくれる

精査をしなければ難しい場合もありますが、臨床経験のある矯正歯科医であれば初診カウンセリング時に口腔内を診ることで、おおよその治療方針を想定することが可能です。
その上である程度の治療期間や費用をお伝えすることができます。付加的な装置や装置の破損時に別途費用がかかる場合などもあるため、きちんと確認しておくことが必要です。
(矯正治療はすべて自費治療になるため、医院によって料金設定はさまざまです)


5. 通院のしやすさ

矯正治療が始まると、基本的には月に1回の頻度で通院する必要があります。また、治療中は矯正装置が歯から外れてしまったり、ワイヤーが伸び出て痛くなったりすることもよくあります。

矯正治療は、治療が終わるまで2~3年ほどかかるため、自宅や職場の近くなど立地的にも時間的にも通える場所にある医院を選ぶことをお勧めします。


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