矯正治療の基礎知識

治療期間について

orthodontics period
About

治療期間について

矯正歯科治療は、他の歯科治療と比較をすると、治療期間は長くなる傾向があります。歯は、歯槽骨という顎の骨から萌えています。矯正歯科治療は、ワイヤー矯正装置やマウスピース型矯正装置を歯に装着し、その歯槽骨も一緒に動かしていく治療になります。
骨が変化していきながら、歯を並べていくため、治療期間は約1年から2年半ぐらいかかります。
矯正歯科治療では様々な矯正装置を使って歯を動かして行きます。歯に力を加え、歯が萌えている骨(歯槽骨)の形態を変化させることにより(骨代謝⇨古くなった骨を新しい骨に置き換える生体に備わるメカニズムのことを言います。骨だけではなく皮膚などでも絶えず繰り返されています。これは人体において色々な部位で自然に起きていることです。)、歯が動くというのが矯正治療により歯が動く原理となります。

1

矯正歯科治療は骨の形を変化させる必要があるため
時間がかかる

矯正歯科治療では、この骨代謝のメカニズムを、力を加えることで人為的に起こしていきます。歯に一定の力を加えることで、歯が押さえつけられた側の歯槽骨の吸収が起こります。それにより歯は動いていきます。
圧力がかけられた方とは反対側の歯槽骨では隙間ができるため、その隙間を埋めるために新しい骨が作られます。

矯正歯科治療とは、このような骨の形態を変化をさせる治療のため時間がかかります。 歯の動きが遅いからといって強い力をかけると、この一連の骨代謝が追いつかず、歯が著しく傾斜したりするなどの望まない動きを歯がすることになり、逆に治療期間が伸びてしまうこともあります。そのため至適矯正力と呼ばれる最適な力を歯にかけることのより骨代謝を最大化しで歯槽骨も一緒に動かしていきます。

2

歯が安定する期間も必要

矯正装置を装着し、歯を動かし矯正歯科治療の目標を達成すると装置を外します。積極的に歯を動かした後は、歯槽骨や歯周組織は不安定なため、歯が色々な位置に動く可能性があります。そのため矯正歯科治療によって並べた歯を、その位置に保つためには、保定装置(リテーナー)を付けることで歯が動くことを防ぐ、保定期間が必要となります。

3

保定期間はどのくらい必要か

保定期間は基本的に3年を設定しています。当院で用いるリテーナーは上顎には取り外し式、下顎は固定式です。保定期間中は、取り外し式装置の装着時間を必ず守る必要があります。保定装置は、歯を動かすための装置ではなく、その位置に歯を維持するための装置ですので、装着していても歯が動くような違和感を感じることはありません。また、保定期間中のリテーナーの装着時間は、矯正装置を外してからおよそ1年は、22時間以上の着用が必要となりますが、それ以降は約12時間、装置を外して2年が経つ頃には就寝時のみと、だんだんと装着時間を減らしていくことで歯の位置を安定させます。